Floyd Rose Originalと1000シリーズの違い
自分が所有しているフロイドローズのギターは全てMade in Germanyのオリジナルに交換してあります。
所有しているギターは、Fender BLACKTOP STRAT HHというFenderMexicoのモデルと、SchecterのSD-2-24と、同じくSchecterのAD-C-7-HR-FRです。
FenderMexicoは純正でフロイドローズスペシャルが、SD-2は初期モデルで最初からオリジナルが、AD-C-7はFRT-1000が搭載されていました。
初めてフロイドローズ搭載ギターを手にしたのは、AD-V-1-FRというシェクターのVシェイプのギターです。もちろん、FRT-1000です。
AD-C-7-HR-FRは、公式ホームページでは「Original 7-String Floyd Rose Tremolo」と記載されていますが、韓国製OEMである1000シリーズが搭載されています。
楽器店の中にはきちんと1000シリーズと書いているお店もありますが、楽器店によっては公式HPをそのままコピペしてるだけであったり、問い合わせても「メーカーに直接お問い合わせ下さい」と丸投げしちゃうお店もあります。
そういえばESPはオリジナルだけど、EDWARDSだと1000シリーズを採用しています。昔のDAITAモデルはEDWARDSでもオリジナルを採用していてコスパが良かったんですけどね。
こちらの記事では手元にある7弦用の1000シリーズとオリジナルの違いを説明します。
オリジナルと1000シリーズ何が違うの?
音に関してはアンプから出てくる音は聴き分け不可能じゃないかな?と思います。
チューニングのズレも、1000シリーズでもきちんとセッティングすれば狂いはほとんどありませんでした。
じゃあ1000シリーズでもよくね?
って思うかもしれませんが、フローティングで使用しない人であれば1000シリーズでも良いと思います。
チューニングのズレが無いなら、フローティングでアーミングしてもいいだろ!
と思ってしまうかもしれませんが、長く使用するのであればオリジナルの方が絶対に良いです。
まずは、色々な違いを知って下さい。
クロームがオリジナル、ブラッククロームが1000シリーズです。
オリジナルと1000シリーズの違い①
製造方法に違いがあります。オリジナルは鋳造(溶けた金属を鋳型に流し込む方法)で、1000シリーズは板を曲げて作られています。
オリジナル
きちんと角が尖っています。
1000シリーズ
ちょっと(かなり?)わかりにくいですが、金属を曲げているため、歪があります。
現物を手にしてみるとよくわかります。
オリジナルと1000シリーズ
こちらもわかりにくいですが、オリジナルは角がきちんと出ているのに対し、1000シリーズは曲げているため角が丸くなっています。
オリジナルと1000シリーズの違い②
ファインチューナーのネジが違います。左が1000シリーズ、右がオリジナルです。
弦をロックするネジなどが、うまく画像に納められなかったのですが、1000シリーズには滑り止めみたいな線が入っています。オリジナルはツルっとしています。
オリジナルと1000シリーズの違い③
ベースプレートが違います。上の画像では厚みが若干違いますが、正面からみると1000シリーズは切りっぱなしに見えます。オリジナルはアームダウンしてもベースプレートが当たらないように尖っています。
1000シリーズはオリジナルよりも金属の硬度が柔らかいので削ってしまう事もできそうです。
オリジナルと1000シリーズの違い④
サドル一式の形状が違います。左が1000シリーズ、右がオリジナルです。
オリジナルの方が精度も良く剛性も高そうですが、Dtunaを使用する場合は1000シリーズの方がいいです。オリジナルの場合、サドルがベースプレートに当たってしまうため、可動域が狭いのです。
中に入っているインサートブロックも形状が違います。
左が1000シリーズで丸みを帯びていますが、右のオリジナルはカクカクしています。
オリジナルと1000シリーズの違い⑤
これが一番重要です。
摩耗の耐久度が全く違います。曲げる金属って普通の金属よりも柔らかいのでしょうかね。硬い金属は曲げると折れたりしますので、曲げやすく柔らかくなっているかもしれません。
アルミの曲げ物などはそうですね、同じ厚みでも全然違います。
フロイドローズの金属もそうなのかはわかりませんが、明らかに違います。
2週間使用した1000シリーズと2年間使用したオリジナルの比較です。
2週間使用した1000シリーズ
画像ではちょっとわかりにくいですが、エッジが摩耗して削れています。
もともと、硬度が柔らかく削れやすい事は知っていたのであまり無茶なアーミングとかしてなかったんですけどね・・・
2年間使用したオリジナル
もう全くと言っていいほど削れていません。弦を緩めずに弦高をいじってしまいましたが、爪で触ると微かに削れてるような気がする程度です。
アーミングはギャンギャンやってましたし、クリケットもアームをバシバシ叩いてました。これだけ摩耗に強いと安心してアーミングできます。
ナイフエッジが摩耗したらどうなる?
フローティングにセッティングしている場合、弦の張力とスプリングの張力のバランスで保たれています。
ナイフエッジとスタッドボルトが点で接することで、激しいアーミングをしても安定して元の位置に戻るのですが、エッジが削れて丸くなってきたりすると、きちんと元の位置に戻らず、アーミングをするとチューニングが狂ってしまいます。
自分が所有してる1000シリーズ程度の摩耗であれば、アームアップのあとに軽くアームダウンしておくとチューニングが狂わなかったりしますが、使用すればするほどエッジは摩耗していきます。
ガリガリに削れてまんまるになってしまった場合、ヤスリで上手に削るとチューニングが安定するそうです。が、失敗すればパーです。
また、私は試していませんが、グリスなどを塗っておくと削れにくくなるそうです。
アーミングアジャスターなどを利用してフローティング状態じゃなくすることで、強制的に元の位置に戻せるようになり、摩耗しようがおかまいなしにチューニングが安定するようになります。
まとめ
フロイドローズ1000シリーズとオリジナルでは、全くと言って良いほど耐久性が違います。
もちろんスペシャルも1000シリーズ同様です。
たまにちょこっと弾く程度であればそのままでもいいと思いますが、予備ギターなどもなく毎日同じギターを使用して毎日何時間も練習してライブをしたりするのであれば、オリジナルに載せ替える価値は十分にあります。
スタッドボルトと本体を交換するだけでも効果は十分あります。
ナット周りは寸法など同じですが、ギターにネジ止めする穴の角度が僅かに違い、穴埋めをしないと交換できませんでした。これは個体差があるかもしれませんが・・・
スタッドボルトはネジのピッチが一緒で、スタッドアンカーはそのまま使用出来ました。念には念を入れて交換するのが良いと思いますが、自分は2年使用していて全く問題ありません。
フロイドローズのチューニングの狂いはナットの時もあります。ナットとギターを固定するネジが緩んでいたりすると、アーミングした時にナット自体が僅かに動いてチューニングが狂います。髪の毛一本分動いただけで狂います。
ここが緩んでいるからと目一杯ネジを締め込むと、バカになってネジが空回りしたりすることもあります。そうなったら大変ですので、フロイドローズのチューニングが不安定で悩んでいる方はリペアショップで見てもらう事をおすすめします。
見分け方については、裏側のMade in Germanyの刻印やアームのキャップのギザギザの細かさ、ベースプレートの歪みや先端、ファインチューナーのネジ、六角レンチを使うネジのサイドの滑り止めみたいなギザギザがうっすらある等結構沢山あります。
実物を見比べるとかなりわかりやすいので、一度楽器屋さんで確認してみて下さい。
アイバニーズとかの場合、ベースプレートが曲げてあっても、ナイフエッジだけ違う金属になっているトレモロとかもあります。
私が昔所有していたRG2560ZEX(プレステ)というモデルはそうなっていましたが、エッジが摩耗することもなくフローティングにしてもチューニングが狂いませんでした。
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